卒業生の今 クロマトグラフの機能を保持するフィールドエンジニアとして顧客をサポート。

生命環境化学科

篠原 直希

出身高校/山口県立豊浦高等学校
工学部生命環境化学科/2018年卒業
勤務先/株式会社島津アクセス 九州支店 第一サービス課

北部九州をエリアに分析装置のメンテナンス等を担当。

(株)島津アクセスは、「科学技術で社会に貢献する」を理念に掲げ、島津製作所の多様な分析機器や検査機器などを、常に最善の状態に保ち、機能と性能を十分に発揮するためのサービスサポートを国内外で提供する会社です。私は現在、九州支店に所属するフィールドエンジニアとして、「GC(ガスクロマトグラフ/気化させた試料の各成分の含有量を測定する分析装置)」や「GCMS(ガスクロマトグラフと質量分析計が一体化した分析装置)」、あるいは「熱分析装置」などを対象に、そのメンテナンスや修理を担当しています。消耗部品などを交換し、性能を確保する装置の点検にあたるほか、不具合の起きた装置に対する修理を行っています。また、新品装置の据付調整に加え、納入機器の取扱説明なども業務の一つです。

お客さまは、食品・製薬・環境(水・大気)に関わる業種が多く、薬物・毒物を調べる警察、水質を調べる水道局などへも足を運んでいます。エリアとしては、福岡県・佐賀県・長崎県といった北部九州を担当していますが、支援のため九州他県の営業所へ出向くほか、九州以外にも、広島県でメンテナンスに携わったこともありました。また、第二サービス課は大型装置を外国に納品しており、その担当者はベトナムやアメリカなどの海外でもメンテナンスを手掛けています。

所属学科で学んだ化学分野の知識を活かせると思って選んだ会社。

私が(株)島津アクセスと出会ったのは、大手就職情報企業の説明会。就活で最初に参加した説明会だったのですが、仕事内容が化学分野に関連することが多く、所属する学部学科で学んだ知識を活かせると思って興味を惹かれたことが理由です。福工大での合同企業説明会にも当社はブースを設けていて、その際も、ブースの担当者の話を聞きに行ったことが思い出されます。就職先として選んだのは、やはり化学の知識を仕事に活かせると実感したから。また、デスクワークではなく分析装置を納めたお客さまのもとを訪問してメンテナンスを行うことが主業務だったことも影響しています。仕事では担当エリアを移動しますが、毎回現場が違うので、そのたびに新鮮な気持ちで仕事ができることに魅力を感じました。さらには、お客さまを含め外部の多様な人と関わりを持ったり、お会いする方々の会社の様子を知ったりできることなど、見聞を広げる経験ができると思ったことも一因です。

学生時代には、特に将来の夢などはもっていませんでした。しかし、福工大へ入学したことで、また、積極的に企業説明会へ参加したことで、学んだ知識を活かせる職業に出会うことができました。自身の体験から、夢を見つけ、叶えるために大切なのは行動力、そして俯瞰して先のことを考える力が大切だと思っています。

他の分析機器も扱えるオールマイティなエンジニアに成長を。

所属していた生命環境科学科は、食品・製薬・環境にわたる様々な学びの機会があることから、学科で得た広い化学分野の知識を業務に活用しています。とはいえ、分析装置のメンテナンスや修理の仕事は、働きながら覚えることが多いのも事実です。学生時代には島津製作所の装置に触れたこともなかったし、分析装置を学べるテキストもありませんでした。そのうえ、不具合の起きた装置のどこが問題で、どこを修理すればいいか的確に判断するためには、「機械」や「電気・電子」系の知識も必要です。したがって業務に関する多様な知識は、実際に先輩方と一緒に仕事しながら吸収してきたように思います。

 そうした期間を経てフィールドエンジニアとして成長した今、不具合に関する原因を突き止め、迅速に、適切に修理が完了したときは、何とも言えない達成感を味わえます。また、複数台の装置の修理を、お客さまの求める期間で終わらせることができたとき、さらに、作業に対してお客さまから感謝の言葉を頂いたときは大きなやりがいを感じますね。現在は、ガスクロマトグラフをメインに担当していますが、いずれは「LC(液クロマトグラフ)」や「LCMS(液クロマトグラフ質量分析計)」、「スペクトル(光)分析装置」などの知識も吸収し、オールマイティなエンジニアになれればと思っています。

後輩へのメッセージ

就職率の高さに惹かれて福工大へ入った私ですが、改めて入学して良かったと思っています。学びも充実していたし、就職サポートも丁寧でした。後輩の皆さんも厳しい受験を乗り越えた後、福工大で真摯に勉学に取り組んで揺るぎのない人間になれば、未来は拓けると思います。頑張ってください。