FIT工学部 研究室最前線 生命環境化学科 田丸研究室

生命環境化学科

田丸研究室

田丸 静香 教授

FIT工学部の取り組み

研究内容

農水産物を有効活用した加工食品の有用性評価。

田丸研究室(田丸静香 教授)では、日本国内で生産される農水産物は、必ずしも有効利用されていないのが現状です。その例として、生産過程で間引きされる未熟果実や規格外果実、用途の狭いキノコ類、水産業における漁獲魚、限られた地域のみで生産される農水産物などが挙げられます。この研究室ではこうした未利用の農水産物を用いて、肥満や糖尿病、高血圧といった生活習慣病の予防など健康維持・増進に役立つ、しかも美味しい加工食品の開発や評価を行います。また食品開発の先には、地元特産品の生産拡大や農水産業の活性化、食品中小企業や地域活性化などの応用展開が期待できます。

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研究室の魅力を語る

生命環境化学科4年

M.Rさん

出身:福岡県立春日高等学校

生命環境化学科4年

H.Kさん

出身:福岡県立新宮高等学校

キャンパスの雰囲気、学習環境、高い就職率に惹かれて入学。

宮脇さん

福工大は、高校の先生に勧められた大学です。大学見学に来て、まずきれいな校舎や素晴らしい施設に驚いたことを覚えています。それからキャンパス自体の雰囲気も良く、この大学の生命環境化学科で生物分野の学習をしたいと思ったことから入学への気持ちが増幅しました。高校時代に生物分野の勉強したことがなかったので、ぜひ学んでみたいと考えていた私にぴったりの大学。就職率の高さも魅力的でした。

平野さん

私にとって福工大は、少人数で学べる県内でも適正規模の大学という印象がありました。ですから、ここの生命環境化学科なら興味のある微生物分野を、きちんと学習できそうだと思えたことが入学につながりました。併せて、食品衛生管理者などの資格が取れることも入学を考えるようになった一因です。また私も同じように、オープンキャンパスで感じたのがキャンパスの雰囲気の良さでした。学生がとても元気で、勉強も部活も頑張っている様子が私の出身高校になんとなく似ていたんです。他大学のオープンキャンパスにも行きましたが、学習環境を含めたキャンパス全体をとても気に入ったことが入学の決め手になりました。

実験動物における症状改善の効果を確かめる実験が進行中。

平野さん

この研究室では、脂肪肝、脂肪組織蓄積、高脂血症、高血圧などに対して、「未熟みかん」による改善の効果を検証・研究しています。今年から共同研究先で、実験動物(ラット)を実験に用いるようになりました。太らせたラットに未熟みかんの粉末を混ぜた食餌を与え、その後、解剖して効果を検証する実験です。現在、ラットの腸管・肝臓・腎臓等に付着した脂肪を調べたり、血液中の脂質濃度などを測定したりして研究を徐々に進めているところです。

宮脇さん

私も研究の方向は平野さんと同じで、肥満等の諸症状を改善する素材に、いわゆる「酵素食品」を用いています。酵素食品は今日よく耳にするようになりましたが、実際にどんな作用を及ぼすかその効果を追究したくてこの研究テーマを選びました。いま1週間に1回、研究室の学生が交代で共同研究先へ足を運び、食餌を与えるなどラットの世話をしています。

平野さん

この研究室を選んだのは、微生物に興味を持っていたことがきっかけです。学科のカリキュラムに食品衛生管理関係の資格を取れる授業があり、それらを受講するうち特に食中毒を起こす微生物に強い関心を持ちました。そこから食品添加物などにも目が向き、次第に探究心が食全体へ広がっていったことが、この研究の選択に結びつきました。 田丸先生はやさしいですが、研究に対しては時々厳しいですね(笑)。ですが、すごく話しやすい先生です。よく相談にも乗ってくださいますし、就活の際に一時面接でなかなか通らず悩んでいるとき、いろいろと励ましてくださいました。

宮脇さん

私がこの研究室を選んだ理由は、食品と健康に関することに興味が膨らんだからですね。太りやすい食材とか体質だとか、食品と健康に関わることは女性としてやっぱり気になるし…。この大学では少ない女性の先生のもとで、栄養など身近な研究テーマに取り組んでみたいという思いが強くなり、田丸研究室を選ぶことにしたんです。 私も先生はやさしく厳しい印象。やらなければならないときは学生に対しきちんと言ってくださることに感謝しています。研究で、少しだらけたときには「動いて!」なんて声をかけられることもありますが、そのキビキビした研究者らしい態度は見習わなければと思っています。

前田研究室2

▲実験動物の血液成分を分析中の平野さん。血液の中の中性脂肪やコレステロールなどの量を調べる。
※なお、実験動物の飼育、解剖、処理、および分析などすべての工程において、
当該施設の規程に従い適切に施行しています。

前田研究室3

▲大きなボウルで実験動物用の食餌を調整中の宮脇さん。各栄養素に酵素粉末を混ぜた餌を与える。
※なお、実験動物の飼育、解剖、処理、および分析などすべての工程において、
当該施設の規程に従い適切に施行しています。

自分たちの力で研究を進展させている手応えがある。

平野さん

私は、研究自体にやりがいを感じています。ラットの飼育を通じて、どのような改善効果があるかを実験等で確かめられることは大きな喜びですね。今はデータの取得に取り組んでいますが、結果が今から楽しみです。それから、実験にはマイクロ単位の溶液を用いるため細かい作業がかなりあります。ミスをせずに作業を終え、実験も満足の得られる結果が出たときには嬉しさもひとしおです。

宮脇さん

私もまったく同じです。先日までは、酵素食品が糖化たんぱく質の生成を抑制するか検討していましたが、今からは、実際に体内へ取り入れた場合の効果はどうなのかについて研究を進めていきます。どんな結果が出るか早く知りたいですね。

平野さん

この研究室に入って良かったことは、日常生活の中で健康を意識するようになったことです。食事や生活習慣病などについて、普段からいろいろと考えるようになりました。あとは就職活動でしょうか。学生7人のうち6人が食品会社を希望していたので、情報交換ができたことが就活でも大いに役立ちました。また、設立2年目の研究室ということで先輩方のデータが少ない分、自分たちの力で研究を進めている手応えを感じられるのも良かったことの一つです。

宮脇さん

当たり前ですが、良さは興味のある分野で研究ができることに尽きます。また、この研究室は和気あいあいとした空気が漂っていて、クラスが違う人もいるなかみんなとても仲が良いので、研究室の雰囲気、研究のやりやすさという面でも選んで正解でした。また先生のキビキビとした指導のおかげで、妥協せずに真剣に取り組む研究姿勢が身に着いたことも実感しています。

前田研究室2

▲田丸先生の指導を仰ぎながら、動物組織の分析データを確認中。

前田研究室3

▲実験動物に与える食餌。粉末のまま専用ケースに入れてケージ内に配置する。

卒業後は食品会社で身につけた知識や力を活かしたい。

宮脇さん

今後の目標は解剖に向けてラットをきちんと育て、さらに取得データの整理を行い、計画的に進めて完成度の高い卒業論文に仕上げることです。また私は卒業後、酵素食品を取り扱う会社に就職するので、研究室で身につけた物事に真摯に取り組む姿勢や研究で得られた知識を活かして、お客様に良い商品を提供していきたいと思っています。

平野さん

この研究室に入って良かったことは、日常生活の中で健康を意識するようになったことです。食事や生活習慣病などについて、普段からいろいろと考えるようになりました。あとは就職活動でしょうか。学生7人のうち6人が食品会社を希望していたので、情報交換ができたことが就活でも大いに役立ちました。また、設立2年目の研究室ということで先輩方のデータが少ない分、自分たちの力で研究を進めている手応えを感じられるのも良かったことの一つです。

2人

福工大工学部は生命環境分野からモノづくりまで、広い範囲を学ぶことができ、将来の選択肢も多様です。キャンパスもきれいだし、設備も制度も充実。就職率の高さも納得できる大学です。女子学生は少ないけど問題はありません。理科が好きな人は絶対お勧めです。

前田研究室2

▲試験管の液体に目を注ぎ、糖化たんぱく質の抑制反応を調べる。

前田研究室3

▲研究室でのミーティング。今後の実験計画を立案した。