卒業生の今 今までにない製品を創出するレーザー製品のプロフェッショナルへ。

電子情報工学科

宮田 崚平

出身高校/福岡県立武蔵台高等学校
工学部電子情報工学科/2021年卒業
大学院工学研究科電子情報工学専攻/2023年修了
勤務先/株式会社小野測器(計測技術ラボ所属)

レーザーを用いた計測機器の回路設計・開発業務を担当。

(株)小野測器は、社名どおり「計測機器」の製造を中心に据えたメーカーで、2024年の1月20日で創業70周年を迎えました。「未知を拓き、未来を創る」を企業理念に、高い計測技術を基盤に事業を展開しています。私が所属する計測技術ラボは、「自動車のベンチ開発」と「計測機器の開発」に取り組む部門に分かれており、私は計測機器(主にレーザー製品)の回路設計・開発業務を担当しています。取引先としては、主として大学や国の研究機関、半導体メーカーなどが挙げられます。

また、単に回路設計だけでなく、「製品を出すにあたっての仕様に対する法規の確認や規格の更新」にも携わっています。たとえば、製品を輸出するアメリカや中国などの法規を調べてレポートを提出することもありますし、規格の更新に際しては、厳しい安全規格を念頭に更新を実施しています。このほか、レーザーセンサーを新たに組み込むなどお客様からの個別のオーダーに対応した「既存製品を流用した特注製品の設計」、さらには様々な製品の情報を集めたり、お客様のニーズを調べたりする「マーケットの調査」などにもあたっています。

製品と業務内容の幅広さに魅力を感じたことが入社を後押し。

私が工学分野へ進んだのは、小さいころからものづくりが好きだったからです。理系クラスだった高校を卒業した後に、福工大の工学部へ。学科は、電子技術と情報技術に関する広範な知識やスキルを学ぶ電子情報工学科に所属していたため、「回路」、「ソフトウェア」、「通信」、「光学」、「物性」といった幅広い分野を学びました。

ただ専門知識を学ぶことが多くなるにつれて、ものづくりの中にも苦手な分野が増えてきました。そこで気分を変えるため異なることにチャレンジしてみようと思い、ブライダルスタッフのアルバイトを始めましたが、その際に人の笑顔にとてもパワーをもらい、人に喜んでもらえる仕事が好きなことを自覚しました。そこで、「自分が作ったものを多くの人に提供し、喜んでもらえる仕事」を就職活動の軸の一つに据えました。この「自分の好きなこと」と「行動指針」を見つけることが、将来を考えるうえで大切な要素だと思います。

小野測器への入社を志望したのは、メイン製品となる計測機器の分野で、自分が学んできた知識のすべてを活かせると考えたからです。どの業界に進むかなど悩みの多かった就職活動でしたが、企業説明会で出会った小野測器の企業情報を調べたり、面接を受けたりしていくなかで、製品と業務内容の幅広さを知ったことが入社を決断した大きな要因となりました。製品や業務内容が幅広いということは入社後に覚えることも多いわけですが、その分、自分の成長につながることを確信しました。

大学で学んだ知識をフル活用して取り組むレーザー製品開発。

私が所属しているレーザー製品のチームでは、特に高周波数帯の信号について取り扱っています。レーザー周辺では「光学」、「通信」、「物性」の知識が、データ処理部では「回路」、「ソフトウェア」、「通信」の知識が必要となってくるため、福工大で学んだ知識は、ほぼフルに活用していると思います。ですが、大学では学んでいない内容も業務にはたくさんあり、日々勉強といったところです。

製品の新設計開発を担当していることもあって、設計した機器が想定どおりに動作した際には大きな達成感を覚えます。設計という仕事は、過去の資料やデータシートの読み込み、シミュレーション、外部の業者との打ち合わせなどに長い時間をかけ、実際に動作させて調整する期間は短いのが特徴です。また、悪条件下で製品試験を実施することもあるので、うまく動作しないことも少なくありません。ですから、限られた短い期間の中で想定どおりに動作するとホッと安心すると同時に達成感がものすごくこみ上げてきます。私自身、まだ計測機器については勉強中ですが、今後、レーザー製品を主軸に多くの自社製品の知識を吸収し、将来は他部署との連携のもと、自らのアイデアで今まで計測できなかったものを計測できるような新しい製品を創り出したいと思っています。

後輩へのメッセージ

高校生の中には、夢や目標が決まっていない人もいるかと思います。ですが社会に出るまではまだ時間があるので、興味のあることにどんどんチャレンジしてください。知らない分野にもチャレンジすることで視野も広がり、やりたいことが見えてくるでしょう。夢や目標が決まっている人も、ぜひいろんな分野にチャレンジを。きっと今までにないアイデアが生まれ、多くの気づきがあるはずです。