FIT工学部 研究室最前線 電気工学科 鈴木研究室
電気工学科
鈴木研究室
鈴木 恭一 教授

研究内容
半導体ナノ構造における量子力学的な電気伝導の研究。
鈴木研究室(鈴木恭一 教授)は、立ち上がってまだ2年目の研究室(2018年現在)で、「半導体ナノ構造における量子力学的な電気伝導の研究」をテーマに掲げています。福工大工学部A棟の奥にある「高電圧実験棟」内に設置された、九州でも最大級の強磁場装置を備えた実験室をベースに学生が研究に取り組んでおり、私の研究テーマである「2次元電子系の強磁場・極低温における電気伝導の測定及び解析」のほか、「量子ホール効果」「トポロジカル絶縁体」などを研究する学生もいます。
この研究は「新しい物理現象の発見」が最大の目標です。なお研究が進展すれば、今までより低消費電力の半導体素子や新機能素子が可能になると期待されます。

研究室の魅力を語る
電気工学科4年
F.Kさん
出身:福岡県立小郡高等学校
高い就職力、電気分野の知識・技術を身につけられることが魅力。
私が福工大に惹かれたのは就職率の高さです。福岡県内の工学系大学を探す中、高い就職率が大きな強みということで入学を決めました。またオープンキャンパスで先輩の話を聞き、実社会に即した授業が行われているということ、そして施設の充実度も入学の後押しとなりました。
電気工学科を選択したのは、「電気」は世の中になくてならない要素であり、電気分野の知識・技術を身につければ就職にも有利で、また社会で活躍できると考えたからです。学科の中で、電気工学科の就職率が一番高かったことも理由の一つですが、自分としては「化学」が得意分野だったものの新しいことへのチャレンジ意識を持って「電気」を選びました。

サンプルホルダーの先端にサンプル(半導体素子)を取り付け、強磁場・極低温環境のクライオスタットの中に入れ込む。
授業を通じて半導体分野に興味を持ち鈴木研究室へ。
鈴木研究室を選んだのは、鈴木先生の「集積回路」の授業を通じて半導体分野に興味を持ったからです。また、授業内容や研究についての質問などなんでも相談できる先生の人柄にも触れ、先生のもとで研究に取り組みたいと思ったことも大きな要因になりました。

精密電圧測定のために、クライオスタットにつながる「ロックインアンプ」を調整する学生。

マニュアルを確認しながら、磁力コントローラーでクライオスタットに「強磁場」を設定中。
研究の諸問題を解決したときがやりがいを感じるとき。
3年次までの実験に比べて、卒業研究はより長い時間を実験に使います。ですから実験室にいる時間も多く、実験につまずくこともしばしば起こります。しかし、様々な工夫によってそうした問題を解決したとき、あるいは鈴木先生にデータのグラフなどを見せて「やはりこうなったか」と納得してもらえたときは、研究がきちんと進んでいることを実感し、研究のやりがいを感じます。
私がこの研究で身につけたのは、実験器具の使用法、データを取るための測定方法、測定データの解析法などで、またそうしたデータを分かりやすくソフトでまとめる力も得ることができました。さらに、研究では今まで話したことのない学生とも協力し合うので、コミュニケーション能力、協調性なども培うことができたと思っています。

ヘリウムガス循環装置と液体窒素トラップをセッティング中。液体窒素トラップで、冷却に使うヘリウムガスに含まれる不純物を吸着させ、ガスの純度を上げる。

実験で得たデータを、パソコンで整理する深町君。研究データは研究室のパソコンへと転送され、学生がそれぞれの研究に利用する。
技術職として将来は、回路設計・製品設計などを担当したい。
受験生の皆さんに伝えたいことは、福工大は就職支援が手厚いこともあって就職率がとても高いということです。実際に入学して、私自身が実感しました。それから学習面では、基礎知識を磨きながら実験を行うので、学んだ知識を実際に活用することができます。つまりは、能力を高められる学習環境が整っているということです。ぜひ、福工大工学部で好きな分野の知識・技術をしっかり伸ばしてください。

高電圧実験棟内に設置された、九州でも最大級の強磁場装置(無冷媒14テスラ超伝導マグネット)を備えた実験室。−272℃の極低温環境も実現できる。