FIT工学部 研究室最前線 電子情報工学科 松木研究室

電子情報工学科

松木研究室

松木 裕二 教授

FIT工学部の取り組み

研究内容

自動車事故防止に関する研究。

松木研究室(松木裕二 教授)では、社会システム工学・安全システムを学問分野とした「自動車事故防止に関する研究」に取り組んでいます。
主な研究テーマは、
1.居眠り運転防止に関する研究
2.人の注意特性に関する研究
3.自動車運転時における危険性評価に関する研究 など。
たとえば研究室内に設置されたオリジナルのドライビングシミュレータなどを用いながら運転者の眼の映像を解析することによって、運転者の覚醒水準(眠気など)を客観的に評価する研究を行っています。さらに、この知見をベースにした安全運転支援装置の開発などにも研究範囲を広げています。最近は自動運転システムなどがテレビ等でも紹介されていますが、この研究は「人」を主体に事故防止を研究するところがポイントです。

spisara

研究室の魅力を語る

電子情報工学科4年

M.Hさん

出身:福岡県立大川樟風高等学校

プログラムを中心に、モノづくりを総合的に学ぶために入学。

工学系大学へ進学してソフトとハードの両分野を学びたいと思っていたときに、高校の先生から「福工大は面倒見が良く、学びの環境も良い」という勧めが福工大入学へのきっかけとなりました。また、大学でモノづくりの研究に取り組んでいる先輩から「モノづくり」は楽しいという話を聞いたことで、僕自身のヤル気も倍増。プログラムを中心に、モノづくりを総合的に学ぶために電子情報工学科を選択しました。
実際に入学してみると、ロボットを自分で製作し、その能力を競い合う「ロボット工学入門」などの授業があり、やっぱり福工大に入って正解!モノづくりは本当に面白い!と実感したことが今も鮮明に思い出されますね。

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▲開発中の運転危険性評価システムのプログラムをデバッグしている村石さん。

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▲村石さんが製作した、車間距離情報を自動車から取り込む電子回路(加速度センサー付きGPS装置)。

追突の危険性をドライバーに表示する「安全運転評価システム」の研究。

松木研究室は、自動車事故防止に関する様々な研究に取り組んでいます。たとえば「居眠り運転防止の研究」ではコンピュータとカメラを用いてリアルタイムに眠気を評価する事故防止装置を開発しています。僕は「追突事故防止の研究」に取り組んでいて、そのためのシステム開発を行っています。簡単に言うと、運転中に追突の危険性をドライバーに教えるシステムです。このシステムを実現するために、自分で製作した装置(ハード)にプログラムを組み込んで自動車に取り付け、その評価と改良を行っています。
僕が松木研究室を選んだのは、ソフトウェア開発の勉強に力を注ぎたかったことが理由。松木先生はプログラムの講義も担当されており、シミュレータなどの実験機器を扱いながらプログラムをしっかり勉強できると思ったからです。また、先生は工学だけでなく、交通心理学の知識も活かした学際的な研究を進められており、その幅広い教養にはとても驚かされます。

前田研究室6

▲製作した装置を、自動車に取り付け中。ルームミラー横の小さなモニターに運転の危険性情報がリアルタイムに表示される。

研究を通して身につけた粘り強く研究する「諦めない精神力」。

やはりモノづくりの楽しさをたっぷり味わえることが、やりがいにつながっていますね。プログラムを例に挙げると、僕が製作した装置が、プログラムによって思い通りに動作したときの喜びはとてつもなく大きいものがあります。もちろん失敗も多いです。でもそれが実験であり、研究。いろんな方法を試して、より工夫して改良していくこの過程は研究には不可欠ですし、モノが完成した時は、苦労した分だけ喜びも大きいんだと思います。
僕が松木研究室で身につけたチカラを挙げるなら、粘り強く研究するチカラ、つまり諦めない探究心とでも言えるでしょうか。このほかにも論文を作成する過程では文章を書く能力が、週1回行われる研究報告のゼミではプレゼンテーション能力が培われたと思っています。そのどれもが、社会人になってからも役立つチカラ。研究に取り組んだ1年間が充実していた証拠と言えるでしょう。

前田研究室6

▲松木教授によるカスタムメイドのオリジナルドライビングシミュレータで視野情報を計測実験中

卒業後は、ソフトウェア開発企業のSEとして働く予定。

今後の目標は、卒業論文の完成。また、この3月で卒業することから、研究室に入ってくる下級生に研究の引き継ぎをしなければなりません。ぜひとも僕の研究を発展させ、よりレベルの高い成果を出してほしいですね。
僕自身は卒業後、ソフトウェア開発を主業務とする会社でSE=システムエンジニアとして働くことが決まっています。入学当時からプログラムをより深く学び、SEになることを目指してきたので大学生活も進路についても大満足ですね。
4年間を振り返れば、充実した学習環境のおかげで、SEとして働くための基礎能力をしっかり磨くことができたと感じています。自分でもかなり力がついたと実感していますし、松木研究室での研究でも能力を発揮することができました。高校生の皆さんに言いたいのは、モノづくりは本当に面白い!ということ。工学部で、モノづくりの喜びをぜひ体感してください。

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▲研究室には学部生5名、大学院生1名が在籍し、それぞれの研究テーマに取り組んでいる。