FIT工学部 研究室最前線 電気工学科 松尾研究室
電気工学科
松尾研究室
松尾 敬二 教授

研究内容
レーザーを用いたプラズマの非接触計測の研究。
松尾研究室(松尾 敬二 教授)では主に、高温プラズマの計測法について研究を進めています。夢のエネルギーとも表現され、今後の進展が期待される「核融合発電」に必要な超高温のプラズマは、一般的な機器で計測対応できるものではありません。このため当研究室では、超高温の希薄媒体(プラズマ)を屈折率の情報から計測する方法の開発に取り組んでいます。すでに赤外線レーザーによる計測で取得したデータの高精度画像構成法を確立しているため、この高精度画像構成法を接触できない対象物=ここではプラズマの高精度計測に応用していきます。また当研究室ではこのほかに、省エネルギー対策に貢献する太陽光照明利用システムの開発などにも取り組んでいます。

研究室の魅力を語る
工学研究科 電気工学専攻 修士課程1年
(工学部 電気工学科 卒業)
N.Rさん
出身:佐賀県立伊万里高等学校
担任の先生から福工大を勧められたことが入学の理由。
高校時代、物理を教えている担任の先生から進学先大学として勧めて頂いたのがこの福工大でした。それがきっかけで大学の全体像を調べる中、キャンパスの雰囲気や設備、就職面、そして学習・教育面も充実していることが分かり、進学先としての大きな魅力を感じたことが入学につながりました。電気工学科を選んだのは高校時代からの得意科目が数学や物理、化学などの科目であり、その中でも電気に興味を持っていたことが理由ですね。まさに得意中の得意分野が電気だったわけです。現在は大学院修士課程で学んでいますが、これも高校の担任の先生からのアドバイス、「大学院で研究することも考えてみては」というひと言が影響しています。

▲研究室では各学生がプログラミング、3Dモデル作成、データ整理などの作業にも取り組む。
核融合発電につながる分布計測システムのハードを開発中。
実は、4年次の卒業研究は今と異なる半導体分野の研究でした。私の学部卒業と担当の先生が退任される時期がちょうど重なり、大学院進学の際に選んだのが松尾研究室だったのです。もともとプラズマや核融合という規模の大きい研究に対して興味が持っていたこともあって、当時この研究室に在籍していた大学院生の先輩とコンタクトをとり「どのような研究を行っているか」「研究の楽しさや難しさ」「研究室の雰囲気」などをヒアリング。話を伺ううちにこの研究室で2年間研究に取り組みたいという気持ちが強くなり、希望どおり松尾研究室に在籍することになりました。

▲製作中であるプロトタイプのセグウェイ(電動立ち乗り二輪車)の充電を行う学生。

▲3Dプリンタも研究機器の一つ。研究生が、野中君の測定実験に必要な部品を作成中。
壮大な研究を通じて未知のことを「知る楽しさ」がある。
一口にプラズマの計測と言っても多様な要素が絡み合って計測実現を成しています。したがってその原理や未知な事柄に関する様々なことを勉強することで、豊富な知識を得ることができます。ですから、この「知る楽しさ」を体感できることがいちばんの魅力と言えるでしょう。また、研究目標に対してどうすれば到達することができるかを考え、失敗しながらもじっくり前進していけることにやりがいを感じています。
身についた能力は、計画力。研究を進めるうえでどのような機材や材料が必要かを考えたり、あるいは製図を作成したり、購入部品の選別やハード製作等に当たることで目標達成への段階的なプランを立てられるようになったと実感しています。加えて、現行の研究を学部生と二人三脚で行っていることから、コミュニケーションをとってお互いを補助しながら進めていくための協働力も身につきました。

▲松尾先生の指示を仰ぎながら実験装置のレンズ調整などを行っている野中君。
研究に真摯に取り組んで満足ゆく精巧なデータを取得したい。
福工大は設備をはじめ大学の雰囲気自体も良いため、学生にとってはとてもなじみやすいキャンパスと言えるでしょう。いつも面白いことと出会えるキャンパスでもあります。勉学についても、自分から欲すればどこまででも追究することができます。入学後は、先生だけでなく大学全体で学生の意欲を手厚くサポートしてくださるはずです。自分を高めるには、とても良い環境が整った大学だと断言できます。

▲実験機器の回転光軸調整に当たる。実際の実験では回転で起きる光のブレを写真に撮影する。