卒業生の今 プロジェクトリーダーとして「スマートファクトリー」の構築を推進しています。

知能機械工学科

石丸 英明

出身高校/山口県立防府商工高等学校
工学部知能機械工学科/2019年卒業
勤務先/京セラ株式会社(デジタルビジネス推進本部 所属)

工場で効率よくモノづくりを行う仕組み・環境構築を担当。

京セラ(株)は、ファインセラミックスや電子部品、機械工具、スマートフォン、環境エネルギーなど幅広い事業をグローバルに展開する会社です。私は現在、滋賀県の野洲工場に勤務中で、「社内製造業務のDX推進」を担当しており、効率よくモノづくりを行う仕組み「スマートファクトリー」の構築に向けた活動に取り組んでいます。なお、私たちはスマートファクトリーを、「デジタル技術を活用した業務革新とシステム化により、高品質かつ高効率なモノづくりが実現できている工場」、「ユーザーに選ばれる製品品質、価格、サービスを提供して、事業に継続的な利益をもたらす工場」、「人が働きたいと思える工場(働きやすい工場)」と定義して、業務を推進しています。また、工場を便利にするだけでなく、社内の各部署をつないで業務が正しく行われる総体的な業務改革を担っています。

振り返ると就職活動当初は、漫然と企業を見ているだけでしたが、大学での研究やアルバイトで感じていた「人を大切にする仕事をしたい」という軸は持っていました。そんななかで京セラに出会い、 “全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること”という経営理念を知ったことで、私の理想とする環境で大学での学びを活かせることを確信し、志望しました。また、大学3年次には京セラのインターンシップにも参加しており、事前に社員の方々の雰囲気、企業としての考え方など、会社に関する多くの有益な情報を得たことも志望した決め手となりました。

研究室で身につけることができた“問題解決のためのスキル“。

当社志望の理由としては、小さいころからモノづくり現場が好きだったことが根底にあります。また学生時代に、カフェのアルバイトにも力を注いでいたことも影響しています。私自身コーヒーが好きで、あるカフェの店員さんから心温まる対応をしていただいたことをきっかけに、カフェでのアルバイトを始めたのですが、「一杯のコーヒーからそこに関わるお客様、社員(店員)に一つでも幸せを感じてもらえ、いい一日を過ごしてほしい」という社員を大切にするカフェの経営方針を魅力的に感じたことを覚えています。カフェでのアルバイトは、従業員やお客様との関係性、コミュニケーションの大切さを学んだ場所でもあります。モノづくりに関連し、自身のコミュニケーション能力を活かして社会に貢献するという大まかな目標がこの頃に定まりました。

福工大で、印象的だったのは研究室での取り組みです。指導教授の江頭先生含め、研究室の学生と切磋琢磨しながら研究する日々はお互いを理解する能力を培ういい経験になったと思います。さらに、疑問に対しての試行錯誤を経て解決に向けて考えるプロセスを学び、分からないことを調べ、自分たちで解決できないことは先生に相談するといった、ビジネスマンとして必要な問題解決に向けた考え方、行き詰った際の対応力も身につけることができました。就職活動では、活動の進め方から面接の対策、提出書類の添削など幅広く面倒を見てくださった就職課の支援、さらに面接対策、資料の添削などに時間を割いていただいた江頭先生の支援が心強かったことが思い起こされます。

私が考える夢や目標を叶えるために必要なこと……大学生の場合は、自分が目指しているゴールに向けて「それまでに何をすべきなのかを因数分解して考えること」が大事だと思います。就職活動であればゴールを「内定」と仮定すると、「内定←面接(合格)←SPI(合格)←書類提出(自己PR、ガクチカ)」というように、幾つかの関門をクリアするために何をしておけばいいのかを逆算して考えておくことが必須です。高校生の場合は、やはり「夢や目標を達したいと思う熱量」が大切でしょう。壁に当たった場合や心が折れそうになったとしても、それを超えていける忍耐力を鍛えておく必要があると思います。

やりがいはコミュニケーションを通して成果を生み出せること。

今の仕事は人と人とをつなぐパイプのような役割が多く、周りを巻き込みながら仕事をしている状況です。その中でコミュニケーションを通して成果を生み出せること、さらには新規システムを導入した部署の方々が笑顔になっている姿を見た際にやりがいを感じます。また、システム導入や業務改革により、多くの社員に笑顔がもたらされることが仕事のモチベーションにつながっています。
個人的に、働くうえでの最重要スキルはコミュニケーション能力だと思っています。会話のキャッチボールができるか、挨拶がきちんとできるかなどです。たとえば入社後すぐは、周囲の人に分からないことを聞きながら仕事を覚えていきますが、教えてくださる先輩方も会話による意思疎通がきちんとできる人、挨拶ができる人の方がきっと教える意欲も落ちないはずです。私が仕事で、コミュニケーションを重要視するのはこうした理由があるからです。

今、私はスマートファクトリー推進課に所属し、プロジェクトリーダーとして「スマートファクトリー」の構築を推進しています。責任感をもって最後までやりきれるように尽力するつもりです。私にとって今は“挑戦する時期”であり、このプロジェクトも大きな挑戦です。ですから「やらずに後悔」ではなく、「やって後悔」という信念のもと自分らしく果敢に挑戦を続けます。このプロジェクトを成功させることで、京セラのモノづくりをもっと効率化させ、さらに社員が働きやすい環境にしていきたいと考えています。

後輩へのメッセージ

夢や目標があるのならば、それを実現するステップに福工大の環境を使って未来へ進んでください。夢や目標がなくとも、「モノづくりが好き」という想いがある方は福工大に入ってから具現化する時間もあります。専門的な学びの延長上にある夢や目標を明確化しながら、実現のための時間を過ごしていただけたらと思います。ぜひ、いろんなことにチャレンジする大学生活を過ごしてください。